肝臓がん

【概要・頻度】
肝臓がんには、原発性のものと転移してくる場合の2通りがあり、さらに原発性のものは肝細胞由来の肝細胞癌と、胆管細胞由来の胆管細胞癌に分けられます。
日本での肝がんは、約92%が肝細胞癌と言われています。
男女比は、3:1で男性が多くなっています。
また、病因としてB型肝炎ウイルスが約15%、C型肝炎ウイルスが約75%となっており長期にわたる持続感染が原因となっています。
他にも、アルコールの多飲によるアルコール性肝硬変やヘモコロマトーシス、自己免疫性肝炎などが原因になっています。

【症状】
肝臓癌自体の症状というよりも、併発して起こる肝硬変の症状が強くあらわれます。
①食欲不振
②黄疸
③体重減少
④腹部膨満
⑤発熱

【検査】
1、血液検査
AST、ALT、LD、ALPなどの上昇、腫瘍マーカー(α-AFP、PIVKA-Ⅱ、AFP-L3分画)が高値になります。

2、腹部エコー検査
がんの大きさや場所、血管部などの観察を行います。

3、その他画像検査
CT検査、MRI検査、肝動脈造影検査、肝臓シンチグラムなどで腫瘤の陰影が認められるかなどの検査をします。

4、肝生検
生検した細胞をつかって、細胞診を行い確定診断します。

【進行(ステージ)】
肝臓癌の進行度は、がんの「個数」と「大きさ」「浸潤度」「転移の有無」によって分類されます。
①がんの個数が1個(単発)
②がんの大きさが2㎝以下
③肝細胞内の血管や胆管などに浸潤していない
1)Ⅰ期(早期がん)
①~③の全てを満たすものです。

2)Ⅱ期
①~③のうち、2つが当てはまるものです。

3)Ⅲ期
①~③のうち1つのみが当てはまるものです。

4)Ⅳ期
①~③のどれも当てはまらない場合です。

【治療】
腫瘍の大きさ、進行度、肝機能、患者の状態によって治療方針が決められます。

1、外科手術
肝臓の機能が保たれており、単発で発生しているものなどに適用されます。

2、経皮的エタノール注入療法
無水エタノールを患部に投与し、アルコールの作用によって細胞を死滅させる方法です。

3、径カテーテル肝動脈塞栓療法
癌細胞に栄養を運んでいる血管を人工的にふさぎ、栄養が行き渡らないようにさせる方法です。
他の治療法と並行して行われることの多い治療法です。

4、放射線療法

5、化学療法

6、肝移植
肝臓を全て摘出し、ドナーから肝臓を移植する方法です。転移がなく、肝機能不全になっている患者さんなどに適用されます。