胃がん

【概要・頻度】
胃の粘膜上皮細胞から発生する癌です。
日本では死亡率が肺がんについで2番目に高く、男女比は2:1で男性の割合の方が多くなっています。
年齢別発生頻度は、60歳代が最も高く、50歳、40歳となっています。
喫煙や食生活、ヘリコバクターピロリ菌が危険因子になっているとされています。

【症状】
進行度合いによって症状は変わりますが、かなり進行したものでも無症状の場合もあります。
●初期段階
①無症状
●進行段階
②胃もたれ感
胃の内部に腫瘤や病巣があるため、常に胃に異物が入っている感覚があり、胃もたれしたような症状が出る場合があります。
③腹痛
④食欲不振
⑤嘔吐
⑥体重減少
⑦吐血・血便
胃の血管が傷つけられた場合に起こります。また、出血が続くと貧血を引き起こすこともあります。
⑧全身倦怠感

【検査】
1、胃X線検査(バリウム検査)
胃の粘膜の状態や腫瘤の確認をします。

2、内視鏡検査
直接病巣をみることで、がんの浸潤度合や病変の範囲を検査します。

3、腹部エコー、CT
胃の腫瘤や、転移の有無を確認するのに有用な検査です。
4、超音波内視鏡検査
胃がんの進行度合いや、リンパ節転移の確認のため行われます。

【進行(ステージ)】
病巣部がそこまで浸潤しているか、またどの部分のリンパ節にまで転移しているかによって進行度の分類がされています。

1)ⅠA期(早期がん)
がん発生から間もないもので、粘膜表層部にとどまっているものです。
転移や浸潤が見られず、早期がんや初期がんと呼ばれるものになります。

2)ⅠB期
病巣が粘膜表層部にとどまっているが、少しのリンパ節転移(近部)が見られる場合、または粘膜下層部まででとどまっており転移のみられないものです。

3)Ⅱ期
胃の表面まで浸潤しているが、リンパ節転移のないもの、または、リンパ節転移(近部)があるが病巣部が筋層か漿膜下層までの浸潤にとどまっているものです。
その他、胃に流れ込む血管に沿ったリンパ節転移がみられるが、病巣部の浸潤が粘膜下層でとどまっているものです。

4)ⅢA期
病巣が胃の表面を越えて他の臓器にまで浸潤しているが、リンパ節転移のない場合のものです。または、他臓器への転移はない胃の表面にまで浸潤しており、病巣付近のリンパ節転移があるものや、胃に流れ込む血管に沿ったリンパ節にまで転移が見られ、病巣自体は漿膜下層部か筋層まででとどまっているもののことです。

4)ⅢB期
病巣部が胃の表面にまで浸潤しており、胃に流れ込む血管に沿ったリンパ節転移があるもの、または胃の表面を越えて他の臓器にまで浸潤し、付近のリンパ節転移がみられるもののことです。

5)IV期
遠くのリンパ節にまで転移が見られ、他の臓器にも浸潤や転移が認められるものです。

【治療】
1、外科手術
基本は、胃がんの病巣部を完全に除去する方法です。同時に周囲に転移したリンパ節の除去手術や再建術も行なわれます。

2、内視鏡的治療
転移のない表在性の場合でリンパ節転移のない時は、内視鏡的胃粘膜切除術やレーザー治療が行われることもあります。
胃が温存させるため、生活の質をおとさずにすむというメリットがあります。

3、腹腔鏡下胃切除
開腹手術をすることなく、腹部に小さな穴を開け、そこから専用の器具とカメラを使って手術を行う方法です。そのため、身体への負担が軽いとされています。

4、その他の治療
手術が適用されない場合や、重篤な基礎疾患がある場合は、化学療法や放射線療法、温熱療法が適用されます。