食道がん

【概要・頻度】

食道に原発する癌です。
喫煙や飲酒、暑い食べ物や塩分の過剰摂取、食べ物中の発がん物質などが危険因子になっているとされています。
主に女性よりも男性に多く発症します。
年齢別発症頻度は、60歳代が最も多く、50歳代、70歳代と推移していきます。

【症状】

●初期段階
1)無症状
初期段階では、症状がほとんど無自覚のことが多いため、人間ドックや検診時の内視鏡検査などで発見される場合がほとんどです。
この場合は、早期発見により完治する可能性が高くなります。
2)食べ物がしみる
初期の頃だけに感じられる症状で、食べ物や飲み物を飲み込んだ時に、しみるような感覚や痛みを感じることがあります。
ただ、がん病巣が大きくなるにつれてこの症状はなくなっていくため、早期発見のためには見落とさないで欲しい症状のひとつです。

●~進行段階
3)食べ物がのどにつかえた感じがする
がんが大きくなると食道が狭くなるため、食べ物がのどにつかえたような感覚が出てきます。
4)胸の違和感
5)食道の違和感
6)嚥下障害
7)嘔吐
8)せきや痰が出る
かなり進行し、がん細胞が気管や気管支、肺にまで及ぶと咳や痰、血痰が出る場合もあります。
9)胸痛や背痛
10)声がかれる
進行して、声の神経部にまで及ぶと声のかすれといった症状が出てきます。

【検査】

1)X線検査
食道粘膜の変化や、食道に変形がないかどうかなどを検査します。しかし、初期のがんを見つけるなど、早期発見にはあまり向きません。

2)内視鏡検査
食道内部の色の変化や、粘膜所見、腫瘤の有無を確認します。早期発見に有用な検査です。

3)生検、細胞診
内視鏡などで生検し、細胞診で確定診断をします。

4)画像検査
腹部エコー検査、CTやMRIといった検査で、他の部位に転移がないかどうかや、病変の広がりについて検査します。

【進行(ステージ)】

癌が粘膜表層部から、どのくらい奥深く浸潤していっているかによってステージが変わってきます。
癌の進行が粘膜表層部~下層にとどまっているものを初期がん、それ以上に浸潤しているものを進行がんと分類しています。

1)0期(早期がん)
がん発生から間もないもので、粘膜表層部にとどまっているものです。
転移や浸潤が見られず、早期がんや初期がんと呼ばれるものになります。

2)Ⅰ期
病巣が粘膜表層部にとどまっているが、少しのリンパ節転移(近部)が見られる場合、または粘膜下層部にまででとどまっており転移のみられないものです。

3)Ⅱ期
病巣が粘膜下層部にまででとどまっているが、少しのリンパ節転移(近部)が見られる場合、または食道筋層まで浸潤しているが他の部位に転移が見られないものです。

4)Ⅲ期
病巣が食道の外にまで明らかに浸潤している場合、付近のリンパ節または少し離れた部位のリンパ節転移が見られ、かつ他の臓器に転移のないものです。

5)Ⅳ期
病巣が食道周囲の臓器にまで及んでいるものや、遠く離れた部位のリンパ節転移、または他の臓器への転移が見られるもの。

【治療】

1)外科手術
食道の病巣部分を切除し、その後、食道再建術を行います。進行のかなり進んだⅣ期では適用されない場合がほとんどで、その場合は他の治療を行います。

2)放射線治療
手術と併用して前後に行ったり、根治療法として使用します。

3)内視鏡的粘膜切除術
比較的初期のもの(早期がん)で、浸潤がみられなかたり、表在性の小さなものに対して行われます。

4)化学療法
手術が適用されない場合などに、行われます。